Mさんの手帳
バンビ歯科 院長 森川富夫
月も変わり暖かくなってきました。
まだまだコロナ禍ではありますが、気持ちも温かく和みます。
先月末に二年間ご無沙汰だった男性の患者さんMさんが来院されました。
以前はお近くに住んでおられたのですが、何年か前に熱川に引っ越されました。
引っ越されてからも三ヶ月に一度、定期健診を兼ねクリーニングに通われていました。
そしてその後は決まって「今日は友人と久しぶりに食事」「ちょっと買い物」
と、横浜での一日のスケジュールで手帳は一杯。
そんなNさんから二年前の予約日の直前に電話が入りました。
「ご近所誰も遠出をしなくなって、申し訳ないけどキャンセルします、
今のところ歯は大丈夫です、先生に宜しく言っといて」
コロナ禍!熱川から横浜は高~い高~い壁だった事でしょう。
そんな中、今回の来院は「差し歯が折れた、それも義歯の支えに使用している歯」
普通は残っている歯に合わせて義歯は作製されます。義歯の状態は良好で、
折れた歯の歯根も使えそう、支えの歯を作っていくことになります。
手順は逆にはなりますが、義歯をそのまま使用してもらえる選択をしました。
少々難しいケースでしたが、その日と翌週で何とか終える事ができました。
治療後「今日も真っすぐ帰宅ですか?」「帰るけど、ここに来る前に横浜で靴を買ったんだよね、
靴だけは履いてみないと分からない。通販と云うわけにはいかないからね」
そしてニッコリ笑われ「又三ヶ月後に診てもらいに来ますから」と、元気に出ていかれました。
さて、次回は当医院の他にどんな予定がMさんの手帳に入っていくのかな?
どうやら高かった壁も少し低くなったようです。