虫の声
バンビ歯科 院長 森川富夫
「暑さ寒さも彼岸まで」と、先月のコラムの結びでしたが、今年は何の何の。
彼岸にお墓参りに京都に帰ったのですが、ホームに降り立つと観光客の多さと、
暑さで、思わず眩暈がしました。
タクシー乗り場に着くと、??、以前は何十台ものタクシーが並んでいたのに
並んでません。さほど待たずに乗り込んだタクシーの運転手さんに聞くと、
「コロナで京都では1800人の運転手が仕事を辞めました」との事。
さまざまな業界がダメージを受けていて、観光客の方も大変です。
しかし観光客なら起点となるホテル、旅館に荷物を置けば、地下鉄、バスの利用で
タクシーが捕まらなくても何とかなるのでしょうが……
先週一本の予約の電話が入りました、「○○さんか~5年振りに来院」とお待ちしていたのですが
予約時間真近に○○さんから「タクシー会社に電話がつながらないので来週にお願いします」
とのキャンセルが入りました。その後スタッフと話してみると最近は「タクシーのアプリ」
で予約する人が増えてきて、普通の電話が繋がりにくくなっているそうです。
今日は早めに電話され無事にタクシーで来院されました。お元気な方なのですが、足、腰を一時的に痛められており
タクシーを利用しなければ○○さんは通院できない状態でした。
処置は少々時間がかかりましたが無事に一日で終える事ができました。
が、帰りも電話が繋がらず娘が機転をきかし、アプリでタクシーを呼び、事なきを得ましたが……
しかしこのように若い人たちがアプリを使いこなし、より快適に現代に順応していく半面、
今日の○○さんのように電話でしか通信手段を持たない人達は置き去りにされてます。
便利になればなるほど、何かが失われていく寂しさを感じます。
外では虫の声、ようやく秋ですね。