土曜日
バンビ歯科 院長 森川富夫
新年を迎えたと思ったら、もう二月、節分も過ぎました。
年末、年始の慌ただしさから解放され、のんびりした毎日です。
診療所の患者さん達の層の一日の中の流れは、急患の方がいらっしゃらないと、ほぼ決まっています。
平日は学校や会社の関係で、高齢者の方から幼児まで時間単位で、
すみ分ける?ような状態になっています。が、土曜日は当然の事ですがどの時間帯をとっても、まちまちの
年齢層の方が同一空間に混在されます。先日の土曜日は顕著でした。
中高生、高齢者、中高生、高齢者、と、交互の時間帯がありました。
同じような大きさの虫歯であっても中高生と高齢者では処置に望む緊張度が違います。
中高生達は外見と同じで神経も元気です。逆に高齢者の方は神経の管が石灰化し、
刺激を伝えにくくなっています。外傷などで歯が破折したら若者はいかにも痛々しく、
麻酔しなければ触ることさえできません。それに反し高齢者の方は「痛みはないんだけど、こんなに大きく
欠けちゃった、みっともなくて何とかして」と涼しげです。無論、人それぞれですので一概には
言えませんが、年を重ねるのも虫歯の治療を受けるのには楽ですね。でもそれはあくまで虫歯の治療であって、
歯周病や義歯は別です。まして根管治療←歯の根っこの先の膿の処置、神経の管は閉塞している場合が多く、
非常にやりにくく、時間がかかり、患者さん達も大変です。
さて、「全然痛くないよ」言われる80台の方の虫歯の処置、
双方余裕の型採り、決して手抜きはしているつもりはないのですが、つい気も緩みがち。
診療時間も終わりにさしかかり、世間話に花が咲きます。
そんな時に「歯医者は初めて」という幼児が「泣くぞ」というオーラを身体から発散させ、お父さんに連れられ
来院されます。「三つ子の魂百までも」緊張の瞬間です。スイッチが入ります、それが土曜日です。