○○君
お盆休みを控えた、とある一日、今日も夕方から一雨きそうな雰囲気です。
そんな中、旧知の男性患者さんが久ぶりに来院されました。
少々混みあってることもあり、私も思わず「○○君入ってもらって」ところがスタッフは一瞬首をかしげ、
名字で「△△さんどうぞ」
登場した彼を見ると
成る程「名前を君付け」ではもはや呼べない貫禄?です。
「ごめんね、君付けで呼んじゃって、聞こえてた?」
「はい、でも気にしていませんよ、バンビに通い始めたのは小三からですもの」あらら、もう30年以上経つのか!
レントゲンをとり、歯周病の検査も行い、清掃後、虫歯一本処置して 終了。
昔話に花が咲き「先生はちっとも変わりませんね」と言ってくれた最後の彼の一言に大満足
←多分にお世辞だとわかっていても気分は良いですね。診療後、一日のカルテの整理の時に彼の
レントゲンに何気に目がいきました。何本かの被せ物、詰め物、中には神経をとった「歯」も三本ありました。
注視しながら、ある事に唖然となりました。
「彼は小三から通ってくれてる!という事はこの歯全部私が処置したのか!」
信頼してもらって通い続けてくれた彼に感謝の気持ちは勿論あります、が、それ以上に、
遊び盛り?、仕事盛り?途中で通いきれなかったとはいえ、
何本も被せざるを得なかった事実に無念の気持ちです。
30年以上前とは違い、今は予防の意識が双方格段に高くなっています。
小学校から何十年も通い続けてくれた患者さんが、中高年になっても虫歯一本もない口腔内!
お互いにどれほど素晴らしい事であるか!私が30年以上前に戻れない以上、
願いは幼少の子供達を今現在診てくれている娘達の代に託します。