梅雨の一日

バンビ歯科 院長   森川富夫

今日は朝から雨が降り続いており、やむ気配もありません。

そんな中でもメンテナンスで患者さん達が来院されてます。

メンテナンス中心の定期的来院の患者さんは概ね最初に衛生士さんたちが診て、

口腔内清掃を行い、最後に私が診させてもらうという流れになっています。

私の横をMさんが通り過ぎ、「Mさんこんにちは」「先生こんにちは」

Mさんは通常通りユニットに腰掛け口をゆすがれます。

「Mさんお変わりはなかったですか?」いつものように衛生士が声をかけます。しかし返事はボソボソ??

妙な間もあります、何だか変!私が振り向くと衛生士がブラケットの上を困った顔して見ています。

何とブラケットの上には壊れている義歯がありました。

前歯4本分が欠けています。急な私の出番です「何で直ぐに来なかったのですか?」

「二週間後には来ることになってたから、それに雨ばっかりでしょ」

「食事は困ったでしょう?」「奥歯で噛めるからそこまで不自由を感じなかった」

「麺類はどうやって切るの?」「舌の先を上あごにつけて」

外出時はマスクで審美的には問題はないのですが、私は思いきって聞いてみました。

「家の中でマスクは外していますよね、ご主人は何にも仰らなかったのですか?」

「気づいてないんじゃない、面と向かって顔を合わしてないし」

「そんな、分かってはいても言わないだけじゃないんですか?優しさですよ」

「いや~気づいてないと思う」

なるほど、私も家庭内に漂う空気感?に身を置いても

しげしげと面と向かって相対時してないような……妙に納得。

無事に修理も終わり事なきを得ましたが、帰りがけ、「これでお友達とランチに行けるわ!」

ムムム……梅雨の一日でした。