パートナー

バンビ歯科 院長 森川富夫

昨年行われるはずだった医学部、歯学部合同の5年毎の同窓会、

来年こそは開催されるのでしょうか?

私の学生時代、模型実習から実際に患者さんの診療をさせて頂く臨床までの間に、

学生同士の特訓がありました。「アマルガム実習」もその一つです。

実際に虫歯がある学生ならまだしも、無くても健康な歯をパートナーに差し出さなければなりません。

何も悪くない歯を削られます。誰もが「人の歯」を初めて削る瞬間です。詰める材料はアマルガム。

パートナーは必然的に隣の学生。付き合いの深さ、好き?、嫌い?に関係なく歩み寄らざるを得ない瞬間です。

我々医科や歯科の結束力は、このような互いを差し出すことを繰り返した上での仲間意識の強さ?

から来ているのかもしれません。

「アマルガム」の歴史は古く、かってはほとんどの歯科医院で日常的に使用されていました。

手軽で使いやすい材料であり、唾液下でも密に詰める事ができました。

又含まれている成分の水銀が神経に作用するため、痛みを軽減してくれる役割もありました。

今でも年配の患者さん達のお口の中には多く残っています。

しかし水銀の有害性を懸念して70年代をピークにアマルガムの使用料は激減しました。「赤チン」の運命と同じです。

実際「アマルガム」を除去することでアトピーや掌蹠膿疱症の症状が改善されるケースも多々ありました。

互いに削り、詰め合った、学生時代の「苦い?思い出」です。

年賀状だけのやりとりだけになってしまいましたが、元気でいますか?当時のパートナー君!来年こそ!