第六感

バンビ歯科 院長 森川富夫

 

歯科の空間は、視覚、聴覚 嗅覚 味覚 触覚 五感の全てで「怖いところ、

嫌なところ」と認識されています。

雑談から始まって、ワイワイしていたのが、いざ治療する段になると、

患者さんの五感が研ぎ澄まされていくのが、私にも手に取るようにわかります。

嗅覚←歯の切削臭や消毒液 味覚←薬やセメントなどの材料 触覚←ミラーなどの金属タッチ

どれも、これも、嫌な感覚には違いないですが、やはり何といっても視覚、聴覚でしょうか?

以前にもお話しましたが、診療中に目を閉じる方、開いてる方の割合は半々です。

その理由が「怖いので目を閉じる」逆に「閉じると怖いので開けている」

興味あることに、双方とも「怖いから…」で一致しています。

術者としては目を閉じてもらった方が何かと処置しやすいのですが、そこはご随意に。

室内にキーンと響きわたるエアータービンの音も嫌ですね。

眼と違い、耳は閉じる事はできません。

癒しのはずのBGMもタービンを動かせばかき消されます。

しかし 怖いからといって、耳栓したり、iPhoneで音楽を聴きながらの治療はNGです。

術者の声も患者さんには届きませんものね。

←友人の診療所では「外したくない」と駄々をこねた患者さんがいらっしゃったみたいですが。

路上の車も、少々のエンジン音は身構える為には必要です。

タービンの音も、術者と患者さん双方に適度の緊張を与える為には必要なのかな!

後はもう少しトーンの下げた、高出力の製品の開発を待ってみましょう。

………しかし、人には理屈じゃない大事なものが備わっています、「第六感」

そればっかりは、我々も対策のとりようはないですね。