優先順位

バンビ歯科

院長 森川富夫

 

我々歯科の現場では、処置内容により、一コマ15分、30分、はたまた1時間なりの予約が必要です。

ドクターの処置は無論の事ですが、口腔内のケアの意識が高くなっている現代において、

清掃やメンテナンスを行う衛生士さん達の予約は、それ以上にしっかりと時間をとる必要性があります。

しかし完全予約制とはいかないのがこの職種の特異性です。

痛い、腫れた、とれた、等の患者さん達に対応しなければ医療とはいえません。

新患、急患随時なる看板はどこの診療所にも見かけられますよね。

そんな臨床の毎日を送っていると、忙しい時に、急な患者さん達が集中する事がたまにあります。

優先順位をどこにとるか?の問題ですが、

例をあげますと「噛んだら激痛がはしり痛くて噛めない」という訴えの場合。

ある人は「他は何ともないのにその歯でのみ噛んだら痛い」またある人は「唯一噛めてた歯だったのに

痛くて噛めない」前者の方は応急処置をはかり、しばらくその部位で噛まないようにお伝えして、

後日充分時間をとり処置。←短時間で終わり患者さんは物足りなさを感じられますが。

後者の方は今までの不摂生で、自己責任と言えばそれまでなのですが、

日々の仕事に追われているのか?歯医者が怖くて行かなかったのか?

でも「困った度からいえば大」なので時間を割くことになります。

予約の患者さんには若干ご迷惑をおかけしますが、困った時はお互い様ですものね。

以前のように「どこで噛んでいるんだろう?」といった、壊滅的な口腔内の方は少なくなり、

予定通り日々の診療を終えていく日が大半です。

が、想定外の事の連続で、一瞬の判断で優先順位をつけ治療していける事も、やりがいがあり

充実感大ですね。もちろん体力、気力の裏付けがなければなりませんが。

それには自分自身が心身とも健康であらねば……