バケツ一杯の歯
バンビ歯科 院長 森川富夫
雨の毎日です、夜は蒸し暑く就眠時にクーラーを付けるかどうか悩んでいます。
でも暑さ本番に備えて、ちょっぴり我慢、我慢。
昨日夢を見ました。学生時代に抜去歯牙を集めに歯科医院を回ってた夢です。
抜去歯牙とは歯槽膿漏などで抜かれた歯の事で、虫歯の処置など
されてない歯が一番価値があります。
歯学生は臨床を始める前に、模型や抜去歯牙で実習をします。
早く慣れる為には多くの歯牙が必要になってきます。
地元の友人達は、家族、友人の協力もあり比較的集めやすいですが、
関西出身の私は伝手がなく、ましてや当時は歯科医院など行った事がありませんでした。
そこで地元に帰り、同窓名簿片手に先輩の診療所を何件も何件も訪ねる事になりました。
「ごめん今はないよ」「先週来た学生に全部渡してしまった」何軒かに断られ、
諦めかけた時に訪れた診療所で「同窓の後輩か!待ってたよ、処分に困っていたこれ持って行きな」
やった!と、喜んで見てみると、何とバケツ一杯の抜去歯牙。
そんな馬鹿な!と思った瞬間目が覚めました。
実際の私は途中まで「夢」と同じで、三軒目の診療所で無事適量を頂く事ができました。
最近は天然の歯に近似した人口の歯も安価であり、以前ほど実習も少なくなり、「歯」を求めに来る
学生もいなくなりました。
しかし何故あんな夢をみたのだろう?バケツ一杯になる程抜歯したのだろうか?
確か昔読んだフロイトやユングの「夢分析」の書籍がが本棚の奥にあったはず。
否、今更読んでも理解できないし、一本の「歯」に大事に向き合え
、と都合よく解釈することにして、取りあえずは寝苦しい夜は我慢せずクーラーをつけることにします。